ウンコ様のお話・・・ではなく腸内フローラのお話

2016年1月31日の情熱大陸
農学博士 福田真嗣が語るウンコ様の話・・・ではなく、腸内細菌の話から。
 
心身調律メソッドをザックリと説明すると、『人間の心身はあらゆるモノから影響を受けている』というお話です。その一例として、腸内細菌が無ければ人間は健康な状態を保てないのであれば、もはや腸内細菌は人間の一部だと考えていいのではないでしょうか?という問い掛けをプロフィールに書きました。

今回の情熱大陸では、農学博士の福田真嗣さんが、それと似たような仮説を話されていたので、その内容をまとめておこうと思い、ブログを書いております。

 

最近は発酵食品がちょっとしたブームになっております。それはそれで大切ですし、日常生活に取り入れるのは良いことだと思います。ただ、それだけは駄目です、という事も書いております。

まずは基本的な知識から。
腸内には、ビフィズス菌や大腸菌、ピロリ菌、バクテロイデス属など、数百種類の菌が住んでおり、数にして100兆個以上。重さにして体重60㎏の成人で約1,5㎏の腸内細菌が存在しているそうです(情熱大陸の情報を参照にしております。ネットで調べると種類にも数にも相当ばらつきがあります。そのぐらい未知の領域だということです)。


腸内フローラとは、腸内細菌の複雑な分布を表す言葉です。
脂質を分解して増える細菌、糖質を分解して増える細菌などが存在し、食生活や生活習慣によって、腸内フローラの分布は変わってきます。簡略化して言うと、脂肪を多くとる地域では脂肪を分解する菌の割合が多くなり、糖質を多くとる地域では糖質を分解する菌が多くなるのです。

例えば同じ日本人でも沖縄に住む人と、北海道に住む人の腸内フローラは違うでしょう。同じ沖縄でも年齢が違えば違うでしょうし、運動習慣の有無で、腸の蠕動運動が盛んであるかどうか、とか、基礎体温や新陳代謝が高いかどうか、によっても、恐らく腸内フローラは変わってきます。運動の有無が腸内フローラに与える影響については、番組では相撲部屋を訪れ、力士たちの腸内フローラと、練習はしない親方や裏方さんの腸内フローラを比較して、その明らかな差を指摘しておりました。

 

また、特定の病気になった人の腸内フローラに特有の菌が多く分布していれば、その病気の予防や治療に繋がる可能性はある、という話もされておりました。それは確かに、一理一部はあるでしょう。きっと『飲むだけで健康になる』というような売り出しかたで、腸内細菌系のサプリメントやヨーグルトが、今後も多く発売され、流行るとは思いますが、先に2つ言っておきます。

まず1つは、根底に努力せず何かを得ようという精神があるなら、どんなモノを摂取しても効果は思うように得られない、ということです。
 
もう1つは、運動習慣があるかどうか、筋肉の量や働きによって、同じ細菌を摂取したとしても、その働きや生存率は変わってくる、ということが相撲部屋での腸内フローラ検査からも予測は出来る、ということです。つまり、たった1つや2つの要素によって、身体の状態の全てが良い方向に向かうなどと言うことは無いのです。
 
他人から与えられるモノだけに頼らず、きちんと自分の身体との対話を通じて、必要なモノ、過剰なモノを自分で判断し、足したり引いたり出来るようになることが、心身調律の基本です。
 
 
 
そして福田さんは「腸内細菌が欲している栄養素を脳に伝えて、それが自分の意思であるかのように思って食の好みを選んでいる可能性がある」というお話もされていました。
 
これは、腸内細菌が脂質や糖質の分解だけでなく、タンパク質やビタミンの合成、セロトニンやドーパミンなどの生成も行っていることから、そのような物質の一部は迷走神経を通じて脳に特有の働きかけをし、人の健康状態や心理状態に影響を及ぼしている、という示唆でもあると思います。

腸内フローラバンクについて。
健康な時のウンコ様を採取しておいて、将来的に病気になった時に、健康時の腸内フローラを培養したモノを体内に入れてやる、という構想です。全面的に反対しないのですが、半年に1回ぐらいの割合で健康なウンコ様を入れ替えておくことが必要かなぁとは思います。いくら菌を良い状態で保存していても、家主の身体の状態や生活習慣が大きく変わっていては良いようにマッチングしないと思うからですが、その辺は編集時間の都合上、切られただけかも知れません。
 
以上のような内容と感想です。

日本人は食に対する欲求や探求心が強いと思います。なので、小難しい話は置いておいて、とりあえず発酵食品がブームになり、広まれば、それなりに健康な人は増えるだろうなぁとは思っております。がしかし、大切なのは一時的なブームではなく、文化になり根付くことです。そして良いモノを適量食べるだけでなく、適度で適切な身体も動かす習慣を身につけることです。
 
日々の心と身体との対話があり、どういう選択をして今日を過ごすかがあり、その結果が将来の自分に現れるのです。誰の責任でもなく、日々自分で自分の心身の調律を。

 

   一般社団法人日本トレーナー協会代表理事 生西聖治


生西聖治の心身調律メソッド

心と身体の繋がりと広がり。見るモノ、聞こえるモノ、香るモノ、味わうモノ、触れるモノ、感じるモノ、その6感の全てが心身の調律に関係しています。まずは静かに自分の身体の声を聞きましょう。生活習慣、食習慣、職業、年齢、生まれ持った個性、所作の癖など、あなたに合った、あなただけの調律が見えてきます。

0コメント

  • 1000 / 1000